給湯の脱炭素化を考える(その1)

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COP26が閉幕しました。この会議で「世界の気候変動対策の基準が、事実上『1.5℃』にシフトしたこと」*1 は重要ポイントですね。ただ、「シャルマ議長は檀上で『深くおわびする』と謝罪し、言葉を詰まらせながら涙した。」*2 という異例の事態は、議長が注力した石炭火力の「段階的廃止」が合意できず、「段階的削減」という表現に弱めらたから。先進国側の資金提供の約束が果たされなかったことへのインドなどからの反発が要因とも見られていて、気候変動をめぐる国際交渉の難しさを思います。

そうは言っても、脱炭素は避けられない現実で、今後も国も自治体も企業も個人もそれぞれが転換を急ぐ必要があるし、転換がうまくいけば今より幸せな未来にできる可能性があり、転換に遅れれば遅れるだけ、しっぺ返しが来る状況だと思っています。端的に言えば、光熱費や交通費などの日々の支出を低く抑えて他のことに支出を回せるか、価格高騰の煽りをもろに受け続けてじり貧になっていくのかの選択を迫られているとも言えると思います。*3 *4 *5

でも、脱炭素への転換には時間もお金もかかるので、長期の視点が必要。だからこそ、できるだけ早く転換に備える必要があります。そして、地域全体が転換するにもまずは誰かが実践して示さないと何も始まないのかも。そんな想いもあって、個人で粛々と脱炭素の取り組みを進めています。その上で弱い立場の人たちも一緒に転換するためにはどうしたらよいか、も重要な課題と思っています。

 

脱炭素への転換を考える時、以下の2点に着目すると整理がしやすいです。

  • まずは効率化などで消費を減らし、必要分は再生可能エネルギーに切り替える
  • 電気、交通、熱の3分野に分けて考える

 

我が家の現状や脱炭素の取り組み状況を以下にまとめました。★が化石燃料を使う(CO2を排出する)ものです。

  • 電気分野: 太陽光発電+再エネ100%の電力購入(Looopでんきのenecoを契約)、独立型太陽光発電(補助的)
  • 交通分野: リーフで自宅充電(たまに出かけた時に★急速充電)、★軽トラ(使用頻度少ない)
  • 熱分野(暖房): 薪ストーブ、★灯油ストーブ(使用頻度少ない)
  • 熱分野(給湯): ★灯油ボイラー、冬場は薪ストーブの排熱利用(補助的)、夏場はソーラークッカー(補助的)
  • 熱分野(調理): ★夏場はプロパンガス、冬場は薪ストーブクッキング、夏場はソーラークッカー(補助的)
  • その他: ★チェーンソー(使用頻度少ない)

 

ちなみに以下はエネルギー使用量の削減の取り組みです。

  • 電気分野: 節電、照明器具や冷蔵庫の買い替えなど
  • 交通分野: なるべく移動しないライフスタイル、近場は自転車で移動、エコドライブ
  • 熱分野(暖房): 断熱工事
  • 熱分野(給湯): お風呂以外ではなるべく給湯を使わない(排熱、ソーラークッカーなどを利用)
  • 熱分野(調理): なるべく弱火で調理、余熱調理、ローフードなど

 

10年かけて電気、交通、熱分野(暖房)の脱炭素がだいぶ進んだので、次は熱分野(給湯、調理)を考えています。調理は太陽光発電+IHという選択肢になかなか気が進まないので、まずは給湯から。

給湯の脱炭素化の選択肢として思いつくのはこんなところでしょうか。
・電化(再エネの電気で給湯)
太陽熱温水器
・薪ボイラー
・地中熱利用
・地域暖房/給湯

豪雪地帯の冬の日照時間を考えると、太陽熱温水器はつらい。日々の運用を考えると薪ボイラーもきびしい。地中熱利用は新築に限りますかね。地域暖房は個人ではできない。ということで消去法で電化を考えています。機器効率を考えるとヒートポンプ利用となるので、エコキュートが現実的な選択肢になってくるでしょうか。

あとは、我が家の石油給湯器が1999年製でそろそろ交換時期かな?というのと、冬期は雪で土間の出入口が困難になるし、最近は給湯器もかなり納期遅れが発生しているので、壊れてから交換というのはかなりリスキー。それと、今年卒FITして最近は日が差すとなるべく電気ケトルでお湯を沸かして保温ポットに入れるのが習慣化しつつあり、お風呂の給湯も太陽が生み出す電気をなるべく使いたい、という気持ちもあります。

では、どんな製品やどんな電力会社、サービスメニューを選ぶべきか、次回のブログ記事で書きたいと思います。


*1 COP26の成果と課題、現地入りしたNGOが解説|オルタナ
https://www.alterna.co.jp/42739/

*2 環境省の「COP26結果概要」に「石炭」の文言なし|オルタナ
https://www.alterna.co.jp/42826/

*3 石油ショック、再来の兆候…原油価格が在庫急減で高騰、シェールオイル枯渇の鉱区も|business journal
https://biz-journal.jp/2021/10/post_259458.html

*4 家庭を苦しめる原油高騰の裏側を分析|エナシフTV
https://www.youtube.com/watch?v=vS44DOu_ZaQ

*5 【経済の深層】安い日本 超円安時代|デモクラシータイムス
https://www.youtube.com/watch?v=5wdb57ZhgTY